グリー株式会社|マーケティング事業本部
第1プラットフォーム事業企画部長 木村 哲哉 氏
東京大学卒業後、ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)に入社。コンサルタントを経て、プロジェクトマネジャーに昇格。2010年にグリー入社後、プラットフォームの立ち上げに従事。現在はゲーム以外も含めたプラットフォーム全体の戦略を担いながら新規事業の立ち上げも推進中。
入社した時はグリーのゲームプラットフォームの立ち上げ期でしたので、約半年間はゼロから事業を作ることがミッションでした。予算を作るところから始めて管理数値を作り、細かいオペレーションも含めてそれまでグリーがやってきたことの仕組み化などをしていきました。
まさに事業を創っていって方向付けていくことからスタートした半年間でした。 その後、今はゲーム以外のコンテンツも含めたグリープラットフォーム全体の戦略企画の機能を担っています。
当初のゲームプラットフォーム立ち上げ時は5人の組織でしたが、今はプラットフォーム事業全体で70名以上の部隊になっています。組織の面からも、現在は立ち上げというよりは、成長したものを、よりその成長を加速させていくというフェーズに入っています。
引き続き事業拡大のための方向付けももちろん行っていきますが、組織をどうマネージしていくか、人材配置やそれぞれの役割分担をどうしていくかといった組織作りや部署間の連携など、組織戦略も重要になってきています。
その通りです。半年で組織が5人から70人に、事業のフェーズが「0→1」から「1→10」に変わるようなダイナミックな成長を味わえる会社はなかなかないのではと思っています。もちろん「0→1」のフェーズが終わったわけではなく、現在もゲーム以外の新規事業をゼロから検討中ですので、常に異なるフェーズの事業を並行して実行している状況です。
コンサルタント時代に培ったものは全て役に立っています。コンサルティングファームで身につく力というのは、例えばロジカルシンキングやコミュニケーションスキルなどが挙げられると思います。これらのスキルは事業会社でも基本的に役に立つと思います。特にコミュニケーションに関しては、活かせる部分が大きいです。
コンサルティングファームはクライアントサービスですので、相手の悩みを引き出してきちんと理解し、それに対していかに的確に答え、「響く」提案をできるかが勝負です。そのため、常に相手のことを考え、そのうえで、自分が考えたことを相手に納得してもらえるように伝える力が必要です。このようなコミュニケーションスキルは、グリーにおいても社内外で役立っています。経営陣に自分の考えを伝える場面や、社内の他部署とのコミュニケーションでも役立っていますし、新規事業におけるアライアンス先との交渉でも非常に活きていると思います。
コンサルティングファームで付加価値を出す能力と、急成長企業において事業拡大に貢献できる能力は必ずしも一致しないと思います。事業会社ではコンサルティングファームで身につけたものだけで戦えるわけではないので、私はグリーでの仕事の方がコンサルタント時代に必要とされたスキルを包含しているイメージを持っています。例えばコンサルタントの中でも、「分析は得意だが、相手に伝えるスキルが低い」というタイプはの方は事業会社では苦労するかもしれません。
また、コンサルティングの仕事はプロジェクトベースであり、相手と期間、テーマが決まった状態でアサインされていきますね。多くの事業会社もそうだと思いますが、グリーではそういった与えられた枠ではなく、自分でゴール設定をして課題を発見していかなくてはなりません。コンサルタントの中でも自ら仕事を創っていく人の方が事業会社に向いているのではないかと思います。
7年に渡るBCG時代、私はインターネットやゲーム産業を専門に担当していたわけではありません。その私がグリーを選んだ大きな理由は2点です。それは軸として成功している事業がある、つまり事業基盤がしっかりしていること、そしてそのことに安住せずにメイン事業の原資を活用し、新しいものにチャレンジしていく姿勢があることです。
グリーのビジョンは「インターネットを通じて、世界をより良くする。」ですので、インターネットが好きであることは前提として必要です。ただ、「好き」であればインターネット「業界経験」がなくても問題ありません。 インターネットの世界は、常に新しくなっています。インターネットの可能性を信じている人には、こんなにおもしろい世界はないと思っています。私のようにネット業界の経験がなくても十分にグリーで活躍の余地がありますし、戦える環境が用意されている会社だと思います。
先ほど、グリーには「新しいものにチャレンジしていく姿勢」があると申し上げましたが、これは原資を生むメイン事業=ゲーム事業があってこそだと思っています。 ゲーム事業はユーザ数が多く収益性が高いため、IR上はゲーム会社に見えるかもしれません。しかし、私が今まさに取り組んでいる新規事業もゲーム以外の分野ですし、グリーは常に次のビジネスを探しています。
これは私がグリーに転職した理由にもつながるのですが、グリーがこれから世の中にどのような価値を提供できるのかを考えて創っていける人が今のグリーには必要です。グリーは国内2,500万人、世界で1億人の会員基盤を保有しています。この会員の方々に対し、ゲーム以外のものも含めて、グリーというインターネットの場を通じて何を提供していくかを考えていける人が必要なのです。
そういった新規ビジネスを創り出したいという方にとっては、ゲーム事業の存在は強みだと思います。コンサルティングファーム出身者がグリーで活躍しているのは、この事業基盤と投資余力、そして新規ビジネスへのチャレンジ精神を持っている会社だからだと思います。
領域としては、「インターネットメディア企業」という表現が一番近いのではないかと思います。グリーは、その領域の「インターネット開拓者」だと位置づけられるのではないでしょうか。インターネットというツールを使って世界の最先端を切り拓いている企業だと思います。
私はゲーム事業だけを求めてグリーに転職したわけではありません。ゲーム事業をベースとして、いかに新しいものを創っていくか、インターネットの無限の可能性に挑戦したいと思っています。グリーのビジョンは「インターネットを通じて」世の中を良くすることであって、「ソーシャルゲームを通じて」と限定をしていません。「インターネットを通じて」というキーワードにおいてはまだまだ開拓の余地があると思いますが、そこに挑戦できるのもゲーム事業で成功しているからこそです。そして何より、グリーには「攻めていいよ」「攻めていこう」というマインドがあります。
全くそんなことはありませんね(笑)。グリーはまだまだ完成していません。エリアの面ではこれから世界へチャレンジしていくフェーズですし、サービスの幅という点でもゲーム以外の領域はまだ無限の可能性が残されていると思います。 角川グループとの「ソーシャル電子書籍」の業務提携はゲーム以外の新規事業の一例ですね。このアライアンスは私ともう1名とで行いました。
グリーは大きくなった企業だと思われるかもしれませんが、こういった大きな事業を手がけているのはたったの2人です。まだまだ人は足りないですし、一人ひとりの裁量権は非常に大きいと言えます。今グリーに入るということは、出来上がった会社ではなく挑戦者側に加わることを意味していると思います。
現在、鋭意推進しています。サンフランシスコにオフィスを作りましたし、中国やシンガポール、ロンドンなどにも出ていきます。ですが、現在グリーの海外事業に携わっているのはまだ数十名です。もちろん人は足りないですし、フェーズとしても世界的にはグリーはまだまだスタートアップですので、今から参画して頂く方には幅広いチャンスがあると思います。
一方で、1億2000万人の市場から70億人の市場に出ていける企業は、今の日本にそう多くないのではないかと思います。既に世界進出を果たし終えている立派なメーカなどは日本に多数ありますが、本気で今から世界で戦おうとしている日系企業として、グリーには多くの可能性があると思います。
確かに、グリーはこれまで順風満帆だったわけではありません。過去に何度か頭を抱えるような難題に苦しめられています。立ち上げ期にはSNS「GREE」が数ヶ月で会員1万人を突破したもののその後競合に苦しめられ、次にモバイルにシフトして一気に成長したものの収益源の確保に苦労し、それからソーシャルアプリに出ていきまた一気に売り上げが拡大したものの競合の台頭などで苦汁を舐め、といった具合に決してスムーズに今日まで来たわけではありません。
この体験があるからこそ、今がうまく行っていても、「今に安住しない」というマインドがカルチャーに根付いているのだと思います。 また、グリーの特徴は「あきらめの悪さ」ですね。簡単にダメとは言わない不屈の精神が会社全体にあると感じています。実際にも、半年前にはもうダメかと思われたサービスが今や稼ぎ頭だったりもしますし、まさに起死回生の繰り返しです。
あきらめが悪いということは、できない理由を探すのではなく、どうしたら出来るようになるのか、常に問題発見をして改善していくというマインドにつながります。これらも過去に味わってきた辛い体験からの這い上がりがあるからだと思っています。グリーというのは、「私たちに完成はない」と全員が考え、常に良くしようとしているあきらめの悪い会社だと思います。
確かに、先は読めません。前職では5年後が見えました。「見えてしまった」という方が正しいかもしれません。私がグリーに転職した理由もここに関係するのですが、既に読めている5年後に向かっていくのは、ある種レールの上を行くようなものだと思います。5年後が見えない方が絶対におもしろい、私はそう思っています。年齢的にも守りに入る歳ではないですし、世の中は極めて速いスピードで動いています。
5年前にスマートフォンやiPad、そしてソーシャルゲームはなかったはずです。 グリーというサービスはどんどん進化を遂げていくと思いますが、常に動き、常に新しいものが出てくる、そんな業界で思う存分暴れたいという方にはグリーは最高の環境だと思います。
私は新卒で外資系戦略コンサルティングファームに入り、7年間を過ごしました。もしもっと早く転職をしていたら、違った20代を過ごせたかもしれないと今は思っています。グリーに来てみて一番感じたことは、「自分で事業をやるとこんなに違うのか!」ということです。元々インターネットの可能性はまだまだあると思っていましたので、グリーでの仕事に最高にワクワクしています。
「いつか事業をやってみたい」という気持ちを少しでもお持ちの方がいれば、今すぐ事業側に飛び込んだ方がいいと思います。もちろん私もコンサルティングファームにいましたので、そこで得られるものの大きさは体感しています。でもある程度コンサルタントとして経験を積んだら、これからの1年1年は当事者として事業を行いながら、失敗も重ねていく方が、はるかに学びが大きいと思います。 ただ、事業側に来る以上は、「これができる」といった役割にフォーカスするのではなく、「これがやりたい」という事業視点を持ってきて欲しいですね。インターネットで何ができるかということにワクワクする方にはグリーはベストな環境だと思います。
インターネットの世界も、グリーの成長も、どちらも非常に早いスピードで進んでいますので、思い立ったら「今」がベストなタイミングです。「今しかない」と思います。