中村隆吾 氏(仮名)
(32歳 男性)
業種:
ゲーム会社→ITベンチャー
職種:
エンジニア→CTO補佐
安定した企業基盤や好条件、知名度なんていらない。中村さんが何より大切にしていた転職の条件は、CEOがテクノロジーオリエンテッドなビジョンを掲げ、新たな価値創出にチャレンジさせてもらえる環境だった。
- ストーリー
越境ECをゼロイチで立ち上げるも、軌道に乗り退屈に
小学生の頃からプログラムを書き、東大を卒業、大手ゲーム会社へ就職。企画開発を任されていたが、プロジェクト全体をコントロールしたいとの意欲が強くなり、上場前のネット通販ベンチャーへ転職。
初採用のエンジニアとして開発のフロントからインフラ周りの整備、システムアーキテクトまでこなし、越境ECサービスをゼロから立ち上げた。この越境ECサイトはシェアナンバーワンを獲得し、会社は上場を果たした。
事業が軌道に乗り、待遇も改善したけど、中村さんは不満だった。
どうも最近つまらない。越境ECサイトは安定した売上を上げているせいか、改善や新しいサービス導入を提案しても、社長が「余計なことはしなくて良い」と却下されてしまうのだ。ベンチャー感のない会社にも、安定稼働している仕事にも興味を失った。そろそろ次のチャレンジをしたいと思い、転職サイトに登録した。
規模はなるべく小さく、負荷はなるべく大きく
スカウトメールを受けて、プロコミットキャリアを訪問した中村さんは、これまでの経歴や実績を伝え「規模は小さくエンジニアが一人もいないとか、環境整っていないとか、負荷がかかればかかるほどいいですね。興味あるテクノロジー領域はブロックチェーンです。ひとつ譲れない条件を挙げるなら、エンジニアのバックグランドか、テクノロジーにリスペクトのある代表がいることです」と希望を告げた。
この要望を受けたキャリアコンサルタントは、ブロックチェーン系ベンチャーA社、IoTをベースに交通系ソリューションを開発しているB社、ジャイロセンサーを組み込んだウェアラブルデバイスを開発しているC社を、中村さんに提案した。
中村さんは、すでに別のエージェント経由でブロックチェーン系企業に応募しているのでA社はパス、B社はピンと来ない、C社はソフトとハード両方のスキルが求められることに興味があるので繋いでほしいと申し入れた。
CEOとテクノロジー談義で盛り上がる
1次面接のため、雑居ビル2階にあるC社のドアをノックすると、いきなり笑顔の男性が現れた。ミネラルウォーターを差し出しながら、中村さんの前に座って話し出した、その男性こそ、C社を創業したCEOだった。
テクノロジー談義に花が咲き、「今度、うちのメンバーとも会ってもらえないかな」と次の段取りまで、その場で決まるほど、面接は盛り上がった。プロコミットキャリアのもとには、その日のうちに「経験・スキルはもちろん、人柄も大変魅力的で、すぐにでもオファーを出したい。なるべく早く社内メンバーとの顔合わせの場をセッティングしてください」との報告が届いた。
3日後、メンバーとの顔合わせが行われ、C社から正式なオファーが届く。ところが、同じタイミングで、他社で進めていたブロックチェーン系企業からもオファーが届いたため、中村さんは決断を迫られた。
オファー応諾の決め手はCEOとの相性
両者の企業規模や成長フェーズはほぼ同じ、オファー条件はブロックチェーン系の会社が若干高めだったが、中村さんが選んだのはC社だった。
「決め手はCEOとの相性ですね。テクノロジーへのリスペクトがあり、あの人と一緒ならエンジニア発信のカルチャーを創れると感じました。また、ソフトとハードの両面で開発に携われることも、自分を成長させてくれる要因になると思い、C社を選びました」と意思決定の理由を話す。
CEOのディスカッションパートナーとして活躍
「ご本人の希望と経歴、実績が優れているので、機械的にマッチングするならば、30社以上リストアップできたと思います。ですが、ご本人が何を大切にし、どのような環境を求めているのか、CEOとの相性まで見極めたとき、ご紹介すべき企業は数社しかないと判断しました。求人票ではわからないCEOの性格まで理解していたからこそ、成功した案件といえるかもしれません」とコンサルタントは、本案件の成功理由を分析する。
CTO補佐として入社した中村さんは、開発をリードするだけではなくサービス企画や組織づくりにも力を発揮。CEOとの相性は抜群で、常に行動を共にし、ディスカッションパートナーとして意見を求められる重要なポジションを担っている。