最初の転職が最もハードルが高いものです。
逆に、一度転職すると、二度目の転職には最初の転職ほどの抵抗がなくなってきます。そうして転職を繰り返していくと転職回数が多くなります。転職回数が多いことは、転職に不利かと言えば、確かに不利です。例外はありますが、あくまでも例外です。
よって、転職回数が多くなりすぎることは危険。安易な転職はやめたほうがいい。は本当です。
ただ、もちろん今の会社に居続けることに問題意識を持っているからこそ、転職を意識し始めたのだと思います。そこで、転職を考える前にチェックしてほしいポイントがあります。 これからの4つの質問に答えてみてください。
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質問1. 今の会社は、善いか、悪いか
「善悪」のレベルで違和感を覚えるのであれば、そのまま身を置くことは極めて苦しいことだと思います。たとえば法令違反が横行している職場などはそれにあたるでしょう。ただ、自分自身が過度な潔癖症なのであれば、他社に行ってもおそらく同じことが起こるかもしれません。ビジネスの世界である以上、決して甘くはなく、理想にたどり着くまでに清濁併せ呑みながら前進する必要があるからです。細部にこだわりすぎ、単に「善悪の評価者」になってしまうようであれば、環境を変えても同じです。
ただ、明らかに「善悪」レベルで問題があると感じているのであれば、早々に転職活動を開始したほうが良いでしょう。
質問2. 今の会社を、好きか、嫌いか
嫌いな環境で働き続けることは健全ではありません。「好きとまではいえない」ならまだしも、「嫌い」のレベルに至っているのであれば、その会社を去ったほうがお互いのためです。
ただ、潔癖症問題はここでも当てはまります。転職を繰り返し、毎回、転職理由が「この会社が嫌い」であれば、その後も苦しくなります。自分が「何が嫌いな人」なのかを、深く自覚する必要があります。このときのポイントは「その問題がなければ、辞めないだろうか?」の自問自答を何回か繰り返すことです。この自問を繰り返すことで深く自覚することができます。但し、「嫌いを避ける」視点で企業を探したとしても、そう簡単には見つからないかもしれません。そうだとすれば、「好き嫌いの幅を広げるという努力」ができないか、考えてみる必要もあるでしょう。
質問3. 今の会社は、自分に合っているか、いないか
「善悪でみても悪い会社ではない。理念もちゃんとある。大好きとまではいえないが、決して嫌いではない。だが、自分がやりたいことと、会社が必要としていること・自分自身ができることが合っていない気がする。」これはあり得ます。この場合は、最も慎重になるべきです。
今いる会社は、とてもいい会社かもしれません。転職をしたとしても、「ああ、今までいた会社とは違うな。前の会社のほうが良かったな」と感じる可能性が高いといえます。すぐに転職を考えるのではなく、現在の会社で自分の理想が適えられないか考え、動いてみる価値は十分にあるでしょう。
質問4. それは、「中期で」解消される可能性があるか
本当に良い会社は、短期的には無理でも、中期で問題を解決してきます。私たちは数多くの成長企業と10年以上に渡ってお付き合いをしていますが、「あれっ、理念や経営陣は素晴らしいのに、なぜこの人事担当者は候補者にこのような対応をするのだろうか」と疑問に思うことがあります。ただ、本当に良い会社は、しばらくするとその人が担当変更になったり、退社するなどして、きちんと是正されます。理念に向かって軌道修正を常にしていくわけです。短気を起こして目先の現状だけで判断すると、辞めた後にその会社がどんどん素晴らしくなって後悔する、といったことが良くあります。
とはいえ、時間は大切です。あまりに長く現状に甘んじるのも考えものです。長期でしか解消されないのでは遅すぎます。ですから、最後の問いは、「それは、『中期で』解消される可能性はないか」です。
転職活動をするのと、実際に転職するのとは別
これまで、安易な転職はやめたほうが良いというお話を続けてきましたが、「転職活動は別」です。転職活動に慎重になりすぎることはむしろ機会損失です。自分自身で悶々と考えていても出口が見つからないときも、転職活動をすることで前に進むことがあります。それは、自分自身を客観視する最良の機会になるからです。
転職活動をすると、自分は何をやってきたのか、何をやりたいのか、何ができるのか、といったことに真正面から向き合います。多数の仕事の中から、どれに興味を持つのか、自分の内面を見つめる機会にもなります。それに、企業の面接を受けることで、自分自身が第三者の手によってよりクリアになることもあります。とにかく、悶々とする時間が長いことは、自分自身にも、今いる会社にとっても決して良いことではないでしょう。
【参考リンク】
転職活動のゴールは、転職とは限らない
あまりに安易な転職活動は採用企業に対して失礼に当たりますが、真剣な転職活動の結果、現職に残留することになったとしても、それはあなたにとってきっと大きな意味を持つことと思います。
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