在職中に転職活動を行う方は非常に多くいます。しかし、現在の仕事を続けながら転職活動を行うとなると、「転職活動をしっかりとやり切れないのでは?」「現職に支障をきたしてしまうかも…」と不安を覚える人もいるのではないでしょうか。
確かに退職後の転職活動よりも時間的な余裕は少なくなりますが、在職中の転職活動をスムーズに進める方法があります。ここでは、重要な2つのポイントをお伝えします。
- 目次
1.転職活動の軸を明確にする
在職中の転職活動を行う上で大切なのは、「転職活動の軸を明確にする」ということです。軸を明確にしないと、オファーが来ても選びきれずに転職活動が長引いてしまう可能性があります。
この軸は最終的な判断だけでなく、そもそも「どこを受けるか(受けないか)」に関係してきます。軸がないことで判断を間違うと、自分のキャリアや将来の展望に見合わない企業を受けてしまい、せっかく選考を進んでも無駄になってしまうことがあるためです。 軸を探すためにいくつか企業を受けてみるのも一つの手ですが、ただでさえ在職中の転職活動は時間が限られるため、効率良く選考を進めていかなければなりません。
では、軸を明確にするにはどうすればいいのでしょうか。
ここで提案したいのは、まず「どうありたいか」「何をやりたいか」「何を得たいか」(Being/Doing/Having)を考えることです。
軸というと判断基準にばかり目が行きがちですが、最初はイメージベースでも構わないので、「どんな風になったら自分は幸せだろう?」「こうなっていたらいいな」という将来像をイメージしてみましょう。
転職といっても、必ずしも職種や業界を変える必要はなく、「働き方」を変えればいいだけということもあります。自分のやりたいことや将来像を明確にすることで、現状の何を変えればいいかが見えてくるはずです。
在職中の転職活動では特にこの点が重要で、途中で軸がブレてしまう人も多くいます。
軸が明確になっていないと、「最初にオファーをくれたから」「年収が良いから」といった理由で転職先を選んでしまい、また転職前と同じ状況に陥ってしまう可能性もあるため、注意したいポイントです。
2.転職エージェントの徹底活用
在職中の転職活動では、転職エージェントを徹底的に活用することも大切です。
さまざまな転職活動を見てきたエージェントは、あらゆる転職のパターンを把握しているため、転職者だけでなく採用企業側の立場も熟知しています。
そうした客観的な視点と蓄積された経験から、先述した軸の整理へのアドバイスをはじめ、候補者にはどういった選択肢があるのか、それを選んだらどうなるのかという先を据えた提案が可能です。時には、候補者さえ気付いていない方向性を提示することもあるでしょう。ディスカッションパートナーとして、転職活動だけでなくキャリアそのものについても考える切り口を多分に提供してくれるはずです。
転職エージェントの価値はこのようなキャリアや転職活動に関する専門性にありますが、意外なところでも価値を発揮します。たとえば、スケジュール調整の代行です。一見すると「それだけ?」と思いがちですが、そこにもエージェントを活用する明確な価値があります。時にはそれで転職活動の結果が変わってしまうこともあり、エージェントに日程調整を依頼することで効果的な転職活動を行うことができます。
たとえば応募先の企業に指定された面接日時が難しい場合、自分から「その時間は行けません」と断るのに抵抗がある方でも、エージェントが間に入ることで交渉や調整に余裕を持てる、といったことがあります。
また、面接を受ける際の服装といった細かい点についても同様です。
在職中の場合、現在の職場に転職活動していることを知られたくない人がほとんどです。しかし、転職活動が進むと役員面接などが行われ、「スーツやジャケットで行かなくてよいのか」といった懸念を持つ方もいます。エンジニアをはじめとして職種によっては普段からジャケットを着ていない人も多いため、現職の同僚から「なんで今日はジャケット着てるの?」と疑問に思われ、転職活動していることがバレてしまう可能性もあります。
そういった場合でも、エージェントから事前に「現職の事情でカジュアルな服装になりますが、よろしいですか?」と応募先の企業に一報を入れておくことで、普段職場でカジュアルな格好をしている人もそのままの服装で面接に行くことができるようになります。
中途採用である以上、これまでのキャリアを整理し、転職活動につなげていくストーリーは重要です。これらの過程に転職エージェントは大きな力となります。また、スケジューリングや服装といった、一見何ということはなく見えることにもエージェントは力を発揮します。
在職中に転職活動を行う人はぜひ相談してみてはいかがでしょうか。